リスニング練習の実際
わたしがリスニング力を向上できたのは、次の2つの訓練でその効果が出たおかげです。
1)SIM英語をやって語順の通り理解できるようになった
2)とにかく量を聴き、聞きなれた単語やフレーズが増えた
SIM英語は日本人向けの良いリスニング教材です。
日本人が持っている読み返しなどの語順の問題が解決できますので。
機関銃のようなスピードで話す音声に遅れずついていき、さらにその内容を同時に理解していくということは、なかなか至難の業です。
読み返ししていたのでは、とても追従し切れるものではありません。
英語の語順で理解するということが、いかにリスニング力を磨くために重要であるかを、わたしは数年前に強く認識したものでした。
SIM英語
SIM英語はもうすでにかなり知れ渡っているようですが、あらためてその取り組みの内容を一言で書いてみると、
・一つの英文が意味のあるパートごとに区切られている
・その単位毎に素早く内容を理解する訓練を行う
・文意を英語の語順のままで把握していく
という訓練をするリスニング訓練法です。
そしてその教材は、以下のように構成されています。
・Hop
英文と日本語訳が交互くり返され、英語の語順で理解できるようになるための訓練。
・Skip
英文と空白が繰り返され、空白の部分で直前の英語の意味を理解し保持する訓練。
・Jump
オリジナルの英文。
・ハイパースピード
再生速度が
「80%」「100%」「150%」「180%」「200%」の5段階あり、さらにリスニングレベルのアップを図るため、150から180、200%のハイパースピードの音声データが付属。
とにかくバリエーションが多いので、わたしは150%の「Skip」をメインにして繰り返し取り組みました。
この訓練により、だんだんと英語の語順で内容を理解できるようになっていきました。あるときに突然・・というふうに言えないかも知れませんが、かなり一気に理解力が上がったという時期があります。
とても良い教材と思うのですが、しかし高価です!
当時は海外によく出張して必要性に迫られていたため、わりと簡単に決心し購入しました。
しかし、今日本にいて、直接英語の必要性に迫られていない状況では、簡単に決心できなかったと思います。
それと蛇足ですが、SIM英語はニュースばかりなので、わたしにとってはあまりおもしろい話題の教材ではありませんでした。
日常会話、特に友人や旅行などのときの会話を中心に、スムーズに話せるようになりたいと思っていたので。
SIM英語の代替教材
SIM英語は確かにリスニング力アップに効果のある教材だと思います。しかし高価なので、英語を取り組み始めた人には判断に悩む価格であるとも思います。
そういうことを考えていたあるときに、ふと気がついたのですが、わたしは入門と初級レベルなら「音読パッケージ」を使って同じような訓練ができるな・・と思ったのです。
意味のあるパートごとに区切られており、英文とリピーティング用の空白が挿入されているので。
つまり Skip と同じ構成だということです。
音読パッケージでSIM式リスニング訓練
わたしはこの安価な音読パッケージで、SIM英語と同じような練習をすれば良いと思います。つまり英語の語順で理解していくという練習ですね。
■英語の語順で理解:
具体的な例を上げて説明します。
例えば音読パッケージ(中級)には次のような例文が載っています。
Mr.North thinks that having happy employees is the key to a successful business.
これは次のように3つのパートに分かれています。
Mr.North thinks that ノース氏は考えている
having happy employees 幸せな従業員をもつことが
is the key to a successful business. ビジネスの成功の鍵だと
この音声データを再生すると、
まず最初に「Mr.North thinks that」の文が読み上げられます。
そしてそのあとには空白が入っています。
リピーティングするための空白が。
このやり方ではリピーティングは行わず、読み上げられた順にその意味を掴んでいくという練習をします。
従って、最初の部分「Mr.North thinks that」が読み上げられたら、すぐにその意味を強く意識します。
そして次のパートが読み上げられたら、同様にその部分の意味を強く意識していきます。
そして3回繰り返すと1文が終わり、同時にその全文の意味を理解するという訳です。
英語の語順で理解するとは、このような練習です。
決して後戻り(読み直し)はしません。
■大事なポイント:
ここで一つ大事なポイントがあります。SIM英語では「期待」と言っています。
前の文の意味を意識したら、「なぜ・・」とか「なにを・・」とか「いつ・・」というように、次の文の内容を「期待」して、次の音声を聞くということです。
「予測」するということと同じかも知れませんが、意味としては「予測」よりも「期待」という方が正しい理解だと思います。
例えば先の文では、
「Mr.North thinks that」と音声を聞き「ノース氏は考えている」と意味を意識した時点ですぐに、「何を考えている?」と次の文に期待をするようにする訳です。
この期待をしながら文を理解していくので、文を聞くのが楽しくなり、そしてその意味を頭の中で強く保持することができるようになるのだと説明されています。
期待するのは、全てのパートで・・とは言っていませんが、慣れてくると少しずつ増えてくる・・と言っています。
使う教材は本物ではありませんが、本物と同じようなやり方で訓練ができます。同じような訓練ができるのなら、同じような効果が期待できるのではないでしょうか。
わたしは高価な教材でリスニング力をアップしましたが、そのやり方がわかれば工夫次第で同じような効果が出せると思っています。
ただし、すごい数の繰り返しと継続力は必要ですが・・。
■ リスニングの練習方法
■ リスニング学習を振り返る
■ リスニング上達3つの点
a:12226 t:1 y:0