トップ>簡単スピーキングのコツ>ムダな言葉を省‥
ムダな言葉を省いて簡単に話す
英語を話すときにムダな言葉を極力省くようにすることは、相手にわかり易くなると同時に、言いたいことを正しく伝えるために、とても大切なポイントの一つです。
言おうとすることがむずかしそうに見える場合でも、非常に簡潔に表現できるようになるからです。
具体例
分かり易くするため、例を上げてみます。
例文1:
「誰か人にやらせてもよいことを、自分でやらなければ気が済まないというのが、 彼の性分です」
という日本語文があるとします。
これをそのまま英訳してみると、どうなるでしょうか?
何かむずかしそうで、聞く方もうんざりするような英文になってしまいそうです。
His nature is that he is not satisfied unless he does it all by himself what he may as well have others do.
もとの日本語文も、もってまわったようなわかりにくい文ですが、それをそのまま忠実に訳した英文も、当然、ややこしくておかしな文章になっています。
どうすれば、わかり易くなるのでしょうか?
ムダ取り(1)
まず最初のポイントは「主語」です。
何を主語にしたら簡潔な文章になるか・・です。
ここでは「His nature」を主語としてしまったので、話し方がむずかしくなってしまいました。「His nature is ~」が良くないですね。
ここで少し英文作成のときの考え方を変えてみます。
「彼の性分はこうです」と言っても、「彼はこうです」といっても、意味はほとんど変わりません。
なので、ここは「He is ~」という話し方で考えてみます。
意味が変わらずに「彼は~」という話し方ができるなら、わざわざ「nature」などという単語を使う必要はありません。省略です。
「nature」を省略した分だけ、わかり易くなるので。
ムダ取り(2)
実はもう一つ、改善ポイントがあります。
「誰か人にやらせてもよいことを」にあたる部分は、
what he may as well have others do
で、わかりにくい部分ですが、このフレーズは必要でしょうか?
よく考えてみると、
「何でも自分でやらなければ気が済まない」
ということが表現されていれば、
「誰か人にやらせてもよいことを」
などということは、わざわざ言わなくて良いのではないでしょうか。
言葉のあやで、ただ文をむずかしくさせているだけのようです。
何でも自分でやらなければ気が済まないというのなら、当然、誰か人にやらせて良いことも、やらせるはずがないからです。
つまり、この
what he may as well have others do
は、すっかり省いてもまったく問題ないと言うことです。
結果は
次のムダと判断した部分を省略すると、英文はどうなるでしょうか。
・nature
・what he may as well have others do
↓
↓
He is not satisfied unless he does everything by himself.
彼は、全てを自分でやらない限り満足しない。
はじめの英文と、比べてみてください。とても短くなって、はるかにわかり易くすっきりしていますよね。
はじめのわかりにくくて長い文から、思い切ってムダなところを省いた結果がこの英文なのです。
ずいぶん余計なところを取り払い、整理された言い方になっています。聞くほうもわかり易くて、聞き間違いも少なくなるでしょう。
ただ日本文を忠実に英語に訳すというのではなく、
1)より簡潔な話し方をするには
2)何を主語にするべきか
と、いつも考えるようにすることが大切だと思っています。
■関連の記事:(簡単スピーキングのコツ)
6)It や There を使って簡単に話す
7)It を使って簡単に時間のことを話す
8)存在を言うときはThereで簡単に話す
10)ムダを取って簡単に話す2
a:4991 t:3 y:2