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短めの文でわかり易く歯切れよく話す

最近、日本の多くの文学作品が英訳されて、海外にも紹介されるようになりました。

文学作品

そこで一つ問題ですが、原文と翻訳された文はほとんど同じ内容の文になっているのでしょうか?

言い方を変えると、原文の日本語のセンテンスの数と、英語に翻訳されたセンテンスの数を比較してみると、ほとんど同じになっているのかどうかという問題です。

実はその結果を見てわかったことですが、同じ内容を伝えているにもかかわらず、センテンスの数が大きく異なっていたのです。

日本語よりも英語の方が、ずっとセンテンスの数が多くなっていたのです。このことは、何を意味しているのでしょうか?

これは言い換えると、一般に日本語のセンテンスの方が、英語よりもダラダラと長い文章が続いているということを示していると思います。

そのまま訳したら冗長な英文になってしまうので、翻訳された方が、日本人作家の長い文章をわかり易くするため、適当に短く刻んで訳したからそうなったのでした。

昔はやたらに難解な文章が多かったようですが、現在の傾向としては、歯切れが良くて、簡潔な文章にするというところにあって、総じてセンテンスは短めになっています。

short sentence
 

 

従って、日本語を英語に置き換えるときは、そのまま日本語を直訳はしないで、短めのセンテンスで歯切れのよい文にするよう心がけた方がいいということなのです。

これは、先にも述べた、
日本語が1文だからといって、何も英語まで1文にする必要はない
ということと共通する考え方です。

多くの日本人の方は、もとの長い日本語にこだわって、英語を長めのセンテンスにまとめようとして、悩んでいます。わたしも最初の頃は1文だったら、とにかく同じ英語の1文にしようとしていたものでした。

あたかも、日本語のマルがあるところまでは、途中でピリオドをうってはいけない・・と思っているように見えてしまうほど。

実は、やさしく英語表現するためには、日本語のマルの位置にこだわる必要はないのだということ。

一つのセンテンスが延々と続くようでは、決して実用的な英語とは言えません。短いセンテンスを積み重ねた方が、はるかに実用的なのだということです。

二文に分解した例

一例をあげると、
「明日はずっと家にいますから、いつでもご都合のよいときにおいでください」

という日本語を、そのままで原文の順序に従って、一文の英語にしてみます。

Tomorrow since being at home all day, please come at any convenient to you.

これでは文法的にもおかしく、生きた英語とは言えません。

ここで句読点にはこだわらずに、もとの文章を、
「明日はずっと家にいます」と、
「いつでもご都合のよいときにおいでください」の、
二つの文に分解して、英語に置き換えます。

すると、とてもわかり易くて、歯切れのよい英語になってきます。

Please come to see me any time / you like.
I will be at home / all day tomorrow.

無理に一文にまとめようとしたときに出てくる構文のむずかしさが、二つの文に分解することでなくなってしまい、はるかに単純でわかり易いものになっています。

また、日本語の「都合のよいときに」に対応する単語を、直訳のconvenient ではなくて、you like としているところも、より簡単な語を使って話すという考え方からきています。

日本語を英語に置き換えるときは、日本文の句読点にとらわれずに、わかり易さを一番重要なことととらえて、適当に分解したり、つないだりすることが大事だということです。

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