4) ホテルで両替、フランス料理注文、タクシーで精算
さて前回は、スーパーでの買い物をカタコト英語で無事にこなすことができたことを書きました。そして今回は、まだまだカタコト英語でのトライが続きます。
ホテルからレストラン、そしてタクシーへと舞台は変わっていきます。
ホテルで円をドルに両替
海外に長期滞在するので、いろんな生活用品を買う必要があります。また、昼の食事代や夜の一杯などでも、それなりのお金が必要となるので、少し補充をすることにしました。
ベトナムの通貨はドンなのですが超インフレとなっていて、1万ドンが日本の80円に相当し、さらには小銭は普及しておらず小額から全てお札となっています。
従って、わずかな金額でもお札の束となるため、持ち運びがとても不便で、しかもお札はほとんど入れ替えられていないためか、すべてシワくちゃのボロボロ。印刷もぼけてしまっているので、使いにくいことこの上ありません。
そのため、両替するにあたっては、通貨のドンではなくて米ドルにすることにしました。何しろベトナムではほとんどの店で米ドルが使えるからです。
1万円札を数枚ポケットに入れてからホテルのカウンターに行き、中のスタッフにカタコト英語で尋ねました。(もちろん頭の中で先に文章を作ってからです)
「Can I exchange money?」
まずはシンプルな文で両替できるかどうかの確認です。
「Yes, sir. What kind of money?」
と(スタッフが)言っていたように思います。
「Yen for dollars.」
(changeを使うときは「into」を使う)
「Sure.」
(スタッフ)
「Here you are.」
と言いながら、1万円札を数枚渡しました。
それを受け取った相手は、壁上に掲示された為替レートを確認してから、電卓をたたいて換算して米ドルを手渡してくれたのでした。
次はフランス料理店で
その後、日本から来た同僚と街を下見に行きながら、フランス料理を食べようということになりました。ベトナムはもとフランス領だったので、フランス風の建物やフランス風料理店なども何軒かありました。
その店は2階にある店で、レストランというほど大きなところではありませんでしたが、小じんまりとして落ち着いた雰囲気の店でした。
スタッフが椅子を引いて座らせてくれたので、いかにもフランスレストラン的で、感じの良い店だなと思いました。
さっそく注文です。
「Excuse me!」
「Menu, please.」
もちろん、頭の中であらかじめ考えておいたカタコト英語です。
すぐにメニューを持ってきてくれたので開いて中を確認し、3つのコース料理の中の一つを頼むことにしました。
メニューを開いてその部分を指さして、
「This one, please.」
同僚も、
「The same.」
と、ただそれだけ。
「And red wine. 1 bottle. Ok?」
「Certainly.」
どれがおいしいのかもちろんわからないので、同じようにメニューの部分を指さしての会話です。
スタッフは厨房へ入ってグラスと赤ワインをもってすぐに戻ってきて、目の前で栓を抜いて少しだけグラスに注ぎました。テイスティングです。
「もう少し○○なワインにしてもらえませんか?」
などと上手に説明はできないので、すぐに
「Ok!」
と。
最後は、食べ終わってからの精算です。
「Check, please.」
ということで、フランス料理店でのやり取りも、無事に終了することができたのでした。
さらに次はタクシーの中で
フランス料理を食べるための街中央エリアへの移動は、ブラブラ眺めながら散策を兼ねて徒歩で移動しました。でも、帰りはアルコールが入った状態であることと、日も暮れて暗くなってきたため、タクシーを掴まえることにしました。
走ってきたタクシーに向かって手を上げると、すぐに止まってくれたので、ドアを開けて乗り込み、
「Lakeside hotel, please.」
「Ok!」
走行中は無言です。
ホテルに到着したので、
「How much?」
ドライバーはメーターを指さしたので見てみると、「11」となっていました。そんなに長い距離ではなかったので基本料金のままだったと思うのですが、「11ドル」は少し高いなと思いながら、11ドルをドライバーに渡しました。
するとドライバーは1ドル紙幣だけを取って、10ドル紙幣を返してきたのです。
「No need.」
一瞬、「エッ!」と思ったのですが、すぐにメーターの「11」は「ドル」表示ではなく「ドン」表示だということに気がつき、その10ドル紙幣を受け取りました。
「11」は「1万1千ドン」という意味であり、日本円にすると88円だったということ。なのでドライバーは、1ドル紙幣だけを受け取って、他の紙幣は返してくれたのです。
中国では絶対に返してくれることはないと思うけれど、ベトナムのドライバーは正直に必要な分だけを取って、残りは返してくれたのです。
「ベトナム人は、本当に正直!」
と、心の中で強く感動したのでした。
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