実戦に入る前にやる予行練習とその具体的なやり方
今回は前回の記事の続きです。予行練習の目的や効果、そしてその具体的なやり方について、説明していきたいと思います。
オンライン英会話レッスンや様々な場で機会を捉えて、実際に話せる相手を見つけて英語で話すチャレンジをしてみた‥‥。とても素晴らしい、一歩前進の行動であると思います。
しかし、実際にその一歩を踏み出したことによって、目の前に新たな大きな壁があるのを感じて、自己嫌悪に陥ってしまう人も多いのではないでしょうか。
私もそうでしたが、日本人ならば誰でもそうなる瞬間があると思っています。そしてそれは、ある訓練をしていないからであり、単なる練習不足なのだということが、あとから理解できるようになりました。
予行練習について
初めて英会話にトライした頃は、そのことがまったくわかっていませんでした。ところがベトナムのハノイで、ある高校の卒業生と英語で話すことがあったのですが、そのときに強く感じたのです。
地元の通訳の方は外語大学を出た優秀な人で、当然、きれいで滑らかな英語を話していました。しかし、工場で働いている作業者の中の一人ですが、普通に高校を出たあとそこに勤めている人とのことで、感じさせられたのです。
あるときに、ちょっとした世間話をしてみると、発音は癖があるものの見事だと思うような英語が返ってきたのです。それですぐにその相手に尋ねてみました。
「僕は10年以上英語を勉強してるけど、なかなかうまく話せないんだ。」
「君はまだ若いけど、なぜそんなにうまく英語が話せるの?」
相手から帰って来た言葉は、次の通りでした。
「高校のときの英語の授業では、毎回、英語で話す訓練があったからです。」
との返事。
そうです、そうなのです。
この「話す訓練」なのです、今日ここで言いたいことは。
そしてその「話す訓練」とは、音読やリピーティングなどではないのです。
(もちろん、それらはとても大事な訓練の一つですが)
「自分で考えながら、それを瞬間英作文していく」訓練のことを言ってるのです。
正しく予行練習を
わかり易くするため、いくつか例を上げてみますね。
実際にやったことがあるのか、あるいは、今すぐここでできるのかを、考えてみてください。そのことが、この訓練ができているのかいないのか‥となるので。
例題
下記に例題の質問を2つ用意したので、トライしてみて下さい。
質問に対して英語で素早く答える練習です。
説明の仕方はいろいろありますが、まずは初級者としてなので、できるだけ簡単な文を2つから5つくらい並べて、素早く英文で答えてみてください。
「バナナとは何ですか?」
① それはフルーツの一つです。
② 二つの部分があります。
③ 一つは「皮」で、色は黄色です。
④ もう一つは「果実」で、色は白です。
⑤ 実はとても甘くて美味しいです。
⑥ サルがとても好きです。
「What is banana?」
① It's one kind of fruits.
② It has two parts.
③ One is peel and the color is yellow.
④ Another one is fruit and the color is white.
⑤ Fruit is very sweet and delicious.
⑥ Monkey likes it very much.
どうでしたでしょうか?
素早く複数の英文で、答えることができたでしょうか?
それとも、冠詞や定冠詞、単数形/複数形などの文法が気になって、素早く返答することができなかったりした人も、おられるかも知れません。
このような簡単な質問ではありますが、素早く対応できたのかどうかが、今のあなたの実力だということです。
出来なかった方は、話すことの練習が不足しているだけなのですから、このような同じ問題と素早く返答する練習を何度も繰り返して、慣れていけばいいだけなのです。
では、もう一つ例題を。
「あなたの故郷について、話してもらえませんか。」
「北海道」を例にして返答すると、
① 私の故郷は、北海道です。
② 北海道は日本の最北端の県です。
③ 飛行機だと東京から約1時間半かかります。
④ 冬にはたくさんの雪が降ります。
⑤ でも、自然が広大でとても美しいです。
⑥ たくさんのスキーリゾートと温泉があります。
「Could you tell me about your ‥‥」
① My hometown is ‥‥
② Hokkaido is located in ‥‥
③ It takes about ‥‥
④ We have a lot of ‥‥
⑤ But the nature is ‥‥
⑥ There are many ‥‥
今回の例題は、英文を省略させていただきました。
このような文は、いろんなテキストに載っているし、英語を学習している人ならば、すぐに話せるような内容だと思います。
但し、相手がいて聞き耳をたてているときに、サッと考えて話せるかどうか‥‥です。できないという方は、注目があり時間的制約がある中での英文作りに慣れていないということなのですね。
「自分で考えて、それをすぐに英文で話す」ということに慣れる練習を、もっともっとしよう‥‥ということなのです。
「一つの質問文に、簡単ないくつかの文で素早く返答する」
このような予行練習がかなり進んだならば、オンライン英会話にトライしてもスムーズに入っていくことができるでしょう。
8秒エクササイズという教材
ここで一つ教材について、ご紹介させていただきます。
私が当時よく使った教材で、上で説明したようなやり方での20日間の練習が組み込まれているものです。CD3枚だけの教材になります。
2004年に販売されたものだったので、現在もまだ入手できるかどうか調べてみたら、新品の発売はずい分前に終了していました。
唯一、Amazonで中古品が16個だけ販売されているのがわかりました。本は無しのCDだけなので、中古品でも問題はないと思います。
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新装版 英会話8秒エクササイズ (CD) 単行本 – 2004/6/25
スティーブ・ソレイシィ (著) (アルク)
中古品本体+送料=613円~1991円までの15点と、本体5553円+送料257円というのが1点あり、これは高すぎて番外なので、最初の15点の中から入手されるのが最後のチャンスかも知れません。
次回の記事で、このCDでの練習内容について、もう少し詳しく紹介させていただきます。すごく役に立ったCDなので、絶対にお薦めのものです!
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