「他動詞」を使って明快に話す
今回はシンプル・スピーキングのコツの一つ、
・「他動詞」を使って明快に話す
について説明します。
普段の会話のとき、英語で話すときはシンプルに話すことを心掛けているのですが、いつもそのことを考えながら緊張して話しているわけではありません。
日常会話のやりとりは、ネイティブの人でもシンプルな文でやり取りしていることがほとんどなので、あまり使わない表現をしようとするときにだけ、気をつけているというのが本当のところです。
できるだけ簡単なSVO構文で話し始めて、補足部分をそれに追加していくという話し方ですね。
また、前にも書きましたが、できるだけシンプルな文を使うとしていますが、あまりシンプルではない文であっても、自分が使い慣れた文や、何となく好きな構文は積極的に使うようにしています。
要は、自分にとってやさしく話せるかどうかを、優先させているということです。
「他動詞」を使って話す
さて、前置きが長くなってしまいましたが、 「他動詞」を使って明快に話すやり方についてご説明します。
まずは、例文をみてください。
彼は会社のマネージャーです。
He is a manager of the company.
この文は、静的な状態を表すbe動詞を使っています。
語数が増えて、少し複雑になっています。
これに対して、動作が明快な他動詞を使って表すと、
He manages the company.
よりシンプルな文となり、動的な動作が伝わるわかり易い表現になりました。
もう一つの例です。
彼は、プロジェクトのリーダーである。
He is a leader of the project.
manager が leader に変わった文になります。
同じようにダイナミックで明快な他動詞を使った文に直してみると、
He leads the project.
名詞 leaderの中に隠れている動詞 lead (~を率いる)を使うことで、プロジェクトをリードしているという、ダイナミックな動きを感じるわかり易い表現になりました。
ポイント
ここでのポイントは、名詞の中に隠れている動詞を使うということに加え、「自動詞」ではなく「他動詞」を使うというところです。
ダイナミックで明快な印象を与える動詞を使うということは、直後に「動作の対象 (目的語)」を置くことができる「他動詞」を使うということになります。
「主語 (誰が)」+「他動詞 (~する)」+「目的語 (…を)」
という形にすることで、自然にその場の情景が浮かんでくるような文となります。サッとイメージが浮かぶような、ダイナミックな動作を伝えることができる表現に。
もう一つの例文で再確認。
そのプログラムによって、時間の節約が実現できます。
The program results in time saving.
「~という結果になる」を表す result in … を使っています。
正しい表現ですが、result in … という慣用句を知っていて、すぐに引き出して文を組み立てる必要があります。すぐに出てこないと、話すのが詰まってしまいます。
ここでわかりやすい他動詞を使って表現してみます。
「時間を節約する」ですので、
The program saves time.
ずい分シンプルなSVOの、わかり易い文となりました。
もう一度ポイントをまとめると、
・ダイナミックに表せる他動詞を探す
・知っている平易な動詞をできるだけ使い、シンプルに表す
・発想を変えて、明快に表現する
となります。
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