断続学習と刺激と睡眠の関係

中高年になってから英語を修得しようとしたときに、いくつもの障壁がありました。

若くない自分にとっての最大の障壁は、
覚えたことをすぐに忘れてしまう」という現象でした。

forget the story

つまり「記憶力」の問題ですね。

その頃は年齢に応じた記憶力だったと思っていましたが、個人差はありますし、若い人であっても物忘れをしない人はいません。

40歳を大きく超えた中高年の自分にとって、1度覚えても比較的短時間で出てこなくなることを意識して、本当にこの年から英語をものにできるのだろうかと、何度となく考え込んだものでした。

いろいろと考えた結果、「人間は物忘れしやすいものだ」ということを強く意識して、学習のやり方を工夫しながら進めていったのでした。

この「忘れるのが普通」を意識して進めていくことが、とても大事だと思っています。そのことを意識して進めていくのとそうでないのとでは、あとで大きな差が出てくるからです。

努力して覚えてもすぐに忘れてしまう場合には、少しずつレベルが上がっていく楽しさは感じることができず、忘れてしまうことによる学習意欲の低下が起こってきます。

これこそが、ビギナーが英語から遠ざかってしまう最大の原因ではないでしょうか。

確実、且つ合理的に身につけていくためには、「記憶のしくみ」をよく理解して、上手にその知識を活用していくことが、英語習得の近道だと思っています。

「短期記憶」と「長期記憶」

何度も聞かれたことがある言葉だと思いますが、この2つの言葉は「記憶のしくみ」の面からみると、けっして無関係ではないのです。

ご存じの方も多いと思いますが、記憶は「短期記憶」と「長期記憶」からなります。

短期記憶とは、
取り込んだ情報が大脳の海馬に数分間保存される記憶のことです。

また、長期記憶とは、
数分から数十年にわたって保持される記憶を表します。
 

 

「断続学習」と「睡眠」

「記憶の仕組み」には、次のような特徴があると言われています。

・短期記憶情報は刺激や感情の作用によって長期記憶に変換される
''・記憶を定着させるのに重要な役割を果たしているのが「睡眠」
''
ここで一つの事例を考えてみます。
例えば、
英単語90語を3時間で暗記する
という課題があったとします。

そのやり方は、大きく分けて2通り。
①集中力高めて、3時間で一気に90語を暗記
②90語を3つのグループに分けて3回の休憩をとる

①のやり方は徐々に集中力が高まり効果がありそうですが、結果は逆になる可能性が高いです。むしろ、時間の経過とともに集中力は徐々に落ちていき、時間までに90語を何としても暗記してしまわなければ・・というノルマに支配され始めます。

覚える」という目的が「作業そのもの」にすり替わってしまい易く、真面目でがんばり屋の人は、特に①の方法に陥りやすいようです。

休憩をとらずに一気に進めるやり方は、集中力や注意力は逆に散漫になって効果は低くなるというのが、一般的な結果のようです。

②の時間や学習量を分割し休憩を組み込んだやり方は、学習時の集中力を導き出すために効果的なやり方です。自分で設定した時間や量に達たら休憩を入れるというのが、実は賢いやり方なのです。

具体的な例としては、
・90語を、40語・30語・20語のグループに分ける
・各グループには「50分…5分の休憩」、
      次に「50分…10分の休憩」、
      次に「30分…15分の休憩」を取り、
     最後に「20分で全体総チェック」
というような具合。

一見複雑に感じますが、学校の授業の進め方とほとんど同じです。
学習時間や休憩時間の長さは自身が決めれば良く、自分なりの余裕を持ったペースで計画すれば良いでしょう。

以上の例からわかるように、「断続学習」方式で取り組むのが良いと思います。一定時間/量の学習と休憩を1セットとして、何度か繰り返すというやり方です。

①休憩時間は20分以内
②再開するとき、必ず前に学習した内容を確認する
→低下した集中力をリセットする効果!

刺激=確認・チェックのを何回となく繰り返します。
確認・チェックが多いほど、記憶は確実で長期的なものに転換されていくので。

前日の学習内容を、睡眠とった翌朝に思い返してチェックすることは、取り込んだ情報を長期記憶に転換させるのに非常に有効です。

あまり仰々しく考えず、目や口を使ってサッと確認すれば良く、朝できないときには昼休みにやるようにします。また、長い時間をか
ける必要はなく、ほんの5分間でもOKです!

日本語を忘れないのは、目覚めて眠るまで日本語を使い続けているから。日常的に日本語の確認作業、つまり刺激を繰り返し脳に与えているからなのですね。

大切な電話番号も、携帯電話のメモリーにまかせていると、自然にあやふやになってしまいます。指で番号を打ち込む作業が、長期記憶として定着させる役割も果たしています。

英語についても同じことが言えます。

長期に記憶していたはずの単語でも、刺激を怠ると徐々にあやふやになっていくものです。5分間という短い時間の復習を、1日に何度も行うというやり方が、少しずつですが、確実に会話力を高めていくことにつながると感じています。
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