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第5話:発想を転換して説明

 先に
  1) 細分化してわかり易く説明
  2) イメージしてやさしい英語で説明
 の2つについて説明しました。

 今回はもう一つのやり方である「発想を転換して説明」について、
 書いていきたいと思います。

 ポイントとしては、説明のやり方を変えてというのは同じなのですが、
 説明のための視点というか、見る角度を変えて説明するというもので
 す。

 これだけではわかりにくいと思いますので、一つ例をやってみたいと
 思います。一緒に考えてみてください。

例題1:「人口」という単語

 「フィリピンの人口は?」と聞こうとして、
 人口(population)という英単語が出てこなかったとします。

 さて、あなたはどう言い替えるでしょうか?

 今回は、細かく細分化して説明するようなやり方ではなく、違う尋ね
 方をして、結果として同じ結果を得るというやり方をします。

 このようなときのやり方のヒントですが、
 2つめのやり方で説明したように、最初はイメージを利用するように
 しています。

 「フィリピンの国の大きな地図の上に、人が1杯載っている場面」

 population

 そして、
 「その上に載っている人は何人いるんだろう?」
 と考えます。

 つまり、「フィリピンの人口は?」の文と同じ意味を持っている、
 一つのイメージを想像したのでした。

 そしてその疑問のイメージを英文に転換します。
  ・How many people are there in Philippines ?

 となりました。

 「人口は?」という文を、イメージを経由させて「何人いるの?」と
 いう文に置き替えたのでした。

 このやり方は2の「イメージしてやさしい英語で説明」と同じやり方
 ですが、そのままやさしく説明するというのではなく、説明の角度を
 変えて行うというもので、「応用編」といえるかも知れません。

 同じ意味を持つイメージを利用して、違う角度から同じ結果が得られ
 る聞き方や説明の仕方をするということです。

 これは一つの例ですが、このように出てこない単語やフレーズがあっ
 たときに、サッと別の形に置き換えて、知っている単語で説明すると
 いう対応力です。

 この発想の転換と応用力が、「中級」になるための必須条件ではない
 かと考えています。

 

例題2:「そろそろおいとまします」

 わかりにくいかと思うので、もう一つ例をやってみます。

 友人の家に食事を招待されて、もう十分食事もいただいたし、楽しい
 会話も行いました。そこで次のように言おうとしたとします。

 「そろそろおいとまします」

 「おいとまする」とはどう言えばいいでしょうか?

 日本語でこの表現を考えたものの、その単語が出てこなくて詰まって
 しまうのではないでしょうか。

 そのまま英訳しようと考えてみると、次の二つの単語がポイントとな
 ります。「そろそろ」「おいとまする」ですね。

 「そろそろ」は any time now、あるいは by now という単語が出て
 きますが、このようなぼかした表現は日本語特有のものなので、使う
 かどうかは疑問です。

 考え方としては、まず「おいとま」に相当する英単語を探そうとして
 はいけません。

 このようなときに、発想を転換して説明することになります。

 「おいとまする」ですが、意味としては「時間になったので帰ります」
 というイメージです。

 ここはぼかした表現は使わず、「帰る時間です!」と言い切る表現に
 します。時間なので主語は「It」です。

  ・It's time to go.

 おいとまするという状況を思い浮かべ、それにふさわしい英語を発想
 してみる必要があります。すると、

 「おいとまする」=「もう返る時間だ

 となり、 It's time to go. という英語が浮かびます。

 このように、言いたいことをイメージし発想を転換させ、別の知って
 いる表現に置き換えて言うということなのです。

 とてもシンプルな表現なので、相手もダイレクトに内容が理解できる
 のではないでしょうか。

 ■「やさしい単語で上手に説明
  第3話 : ロングマン英英辞典を友達にしよう
  第4話:イメージをやさしい英語で説明
  第6話:発想転換し言い換える練習
  第7話:3ポイントで上手に説明する方法
 

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